本人死亡後の財産管理
成年後見人は、本人の生存中において
財産管理や各種契約を行う役割なので、
本人が亡くなれば、その役割を終えます。
本人の死亡時=成年後見人の終了
ですので、それ以降の財産の管理は、
相続人が行うことが原則です。
ただ、親族がいない、行方不明などで
財産の管理を行う人がいないケースでは
成年後見人が「遺体の引取り」「火葬及び埋葬」
「医療費や施設費の支払い」をする必要があります。
成年後見人がボランティア、自己責任的な感じで
行ってましたので、成年後見人としても不安な中で
行ってました。
♦そこで、成年後見人が安心できるよう、法律上の根拠が
与えられ、成年後見人が、必要ある時には本人の死亡後も
下記①~③の行為ができるようになりました。
①相続財産に属する特定の財産の保存に必要な行為
(家庭裁判所の許可:不要)
<具体例>
- 債権の消滅時効の完成が迫っている場合の事項中断の措置
- 雨漏りの修理」
など
②弁済期が到来している相続財産に関する債務の弁済
(家庭裁判所の許可:不要)
<具体例>
- 医療費や入院費
- 住んでいた借家の未払い賃料
など
成年後見人が債務の返済を行っても、相続人が
相続を承認したことにはなりませんので、後で
相続放棄をすることは可能です。
③火葬又は埋葬に関する契約
上記①を除く相続財産の保存に必要な行為
(家庭裁判所の許可:必要)
<具体例>
- 本人の死体の火葬又は埋葬に関する契約締結
- 電気・ガス・水道等の解約
- 債務を返済するための預貯金の払戻し
など
♦上記①~③を行うにあたって、注意することがあります。
Ⅰ.①②を成年後見人が行い、その支払いをすることは、
家庭裁判所の許可は不要ですが、その支払いをするために、
成年後見人の預貯金口座から払戻しをすることは、
③に該当し、家庭裁判所の許可が必要になります。
Ⅱ.成年後見人が裁判所の許可を得て行えるのは
あくまで死体の「火葬又は埋葬」であり、
「葬儀」は含まれません。
独断で高額な葬儀を行うことは、決してしないように
しましょう。
Ⅲ.遺体の引取りや火葬又は埋葬が成年後見人の
義務ではありません。
あくまで、相続人がいない、行方不明など一定の場合に
「できる」に過ぎません。
司法書士・行政書士西本清隆事務所
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