「相続」と「遺贈」の違いは?

〇遺言に基づいた不動産の名義変更を行う際に

名義変更する原因には「相続」と「遺贈」の

2つがあります。

 

「相続」と「遺贈」とはどのように区別されるのでしょうか?

 

「相続」も「遺贈」も誰かが亡くなった時に、ある特定の人へ

亡くなった人の遺産が移転するという点では同じです。

 

 

「相続」は誰かが死亡した時点で自動的に発生するのに対し、

遺贈」は「財産を誰かに贈与する旨」の遺言がある場合のみに

効力が生じる点が異なります。

 

 

遺言がなければ、そもそも「遺贈」は存在しません。

 

 

遺言がなければ、相続人は「相続」により財産を取得しますし、

相続人以外の人は財産を取得することはありません。

 

 

遺言があり「〇〇に遺贈する(贈与する)」と記載されば、

「遺贈」として財産が〇〇へ移転します。

遺贈の場合は、財産の取得者は相続人であっても、

相続人以外の人でも構いません。

 

反対に「相続」で財産が移転する場合には、財産をもらう人は

必ず相続人であることが必要です。

 

 

 

〇「お世話になった〇〇さん(相続人以外の人)に相続させる」旨の

記載してある遺言を基に、不動産名義を変更するケースを考えてみましょう。

 

 

遺言書に「相続させる」とあれば、財産を取得するのが

相続人であれば、原因は「相続」になります。

 

遺言書に「相続させる」とあっても、財産を取得するのが

相続人でなければ、原因は「遺贈」になります。

 

 

遺言の文言が「遺贈」⇒登記原因は「遺贈」

遺言の文言が「相続」⇒財産をもらう人が相続人ならば「相続」

⇒財産をもらう人が相続人でなければ「遺贈」

ということになります。(例外もありますがここでは省略します)

 

 

このケースでは「相続させる」と遺言書に記載がありますが、

財産を取得する人は相続人ではありませんので、名義変更する時は

遺贈」として財産が移転します。

 

 

 

〇相続人に自宅などの不動産を移転させたい場合に、遺言書には

「相続させる」「遺贈する」のどちらを記載すべきでしょう?

 

 

相続人に対して、遺言は「相続させる」と記載すべきです。

 

 

「遺贈する」と記載すれば、不動産の名義変更する場合には、

相続人全員の実印・印鑑証明書が必要になります。

相続人全員の協力が必要になりますので、

相続人間で争いがあれば名義変更できません。

 

 

「相続させる」と記載あれば、財産を取得する相続人のみで

不動産の名義変更ができますので、簡単に手続きができます。

 

 

司法書士・行政書士西本清隆事務所

住所 〒862-0971
熊本県熊本市中央区大江6丁目4-10
TEL 096-288-0003
FAX 096-327-9215
営業時間 8:00~20:00
アクセス
・県道58号線 白山交差点を北に350m
・熊本市電 味噌天神前駅から徒歩4分