行方不明の相続人がいると・・
相続が発生した場合に、遺言がなければ相続人全員で
遺産分割協議を行うことになりますが、相続人の中に
行方不明者や音信不通になっている人がいても、
その人を除いて遺産分割協議ができるわけではありません。
行方不明等で連絡が全くできない相続人がいると、相続人全員の
合意ができないので、相続手続きをすすめることができません。
よって、「預貯金の払戻し」や「不動産の名義変更」などもできません。
では、行方不明等で連絡が全くつかない相続人がいる場合は
どうすればよいのでしょうか?
行方不明の相続人の代わりになる「不在者財産管理人」を選任する
必要があります。
行方不明になった人の財産を代わりに管理する権限を持ち、家庭裁判所が
選任します。
そして、この「不在者財産管理人」が行方不明の相続人の代わりに
相続人間の遺産分割協議に参加することになります。
「不在者財産管理人」は、不在者の財産を管理・守ることが任務ですので、
遺産分割協議においても、行方不明の相続人が持つ法定相続分の遺産を
確保することが必要になります。
行方不明の相続人に不利になるような遺産分割協議はできません。
また、遺産分割協議についても家庭裁判所の許可がなければ、
不在者財産管理人はすることができません。
「不在者財産管理人」が選任されたからといっても、残された相続人の
望むような分割協議ができるわけではありません。
また、「不在者財産管理人」を選任するにも、家庭裁判所に申立を行い、
2,3ヵ月は期間がかかりますし、申立時には20万~30万程の予納金が
必要になります。
行方不明、音信不通の相続人が存在する時には、上記の手続きが必要になり、
簡単には進まないので、是非、遺言書を作成されることをお奨めします。
行方不明の相続人以外の相続人に対して、相続させる遺言を残すことで
「不在者財産管理人」の選任手続きをすることなく、相続発生時における
手続きをスムーズにすることが可能になるからです。
司法書士・行政書士西本清隆事務所
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