遺言書をひっくり返す相続人の〇〇

遺言書に記載されている内容は、法定相続より優先します。

あくまで法定相続は、遺言書がない時の補充的な役割に過ぎないのです。

 

遺言書を作成しておくことで、自分が亡くなった後の

遺産相続を自分の想うようにできるというメリットがあります。

 

ただ遺言書を作成しても、必ずしも遺言書の内容とおりの

遺産相続が実現されるとは限りません。

 

遺言書によって遺産を承継するのが、法定相続人だけの場合、

法定相続人全員の合意によって、遺言書の内容とは違った遺産分割が

可能になります。

 

 

故人が生前に作成した遺言書の内容と各相続人の気持ちが異なるケースも

考えられます。

例えば、遺言書で「妻に自宅、長男に預金、長女には株式」を相続させる旨の遺言が

あったとしても、残された相続人たちとしては、「妻は預金、長男は株式、長女は自宅」を

相続したいということもあり得ます。

 

相続人の考えと、遺言書の内容が異なっている場合には、必ずしも遺言書の記載とおりに

遺産を分割、相続しないといけないわけではありません。

 

相続人全員が合意すれば、相続人の合意とおりに、遺産を分割し承継することができます。

 

「子ども2人に2分の1ずつ相続させる」旨を遺言書に記載しとしても、

子ども2人が話し合いをして、「長男が遺産を全部相続する」という合意ができたら、

すべての遺産は長男が相続することも可能です。

 

遺言書の内容よりも、残された相続人全員の合意が優先されます。

これは、自筆証書遺言・公正証書遺言でも変わりません。

 

なお、遺言執行者がいる場合には、遺言執行者の承諾も必要になるので注意が必要です。

 

また、相続人全員の合意が必要ですので、相続人の中で合意に応じない人、

行方不明で話し合いに参加できない人がいる場合には、遺言書の内容に

応じて、遺産を相続することになります。

 

 

遺産を分割する方法は4つ

相続発生時に遺産を分割協議する方法は4つに分けることができます。

 

1.遺言による分割

遺言書の記載とおりに分割する方法です。法定相続より遺言書の内容が優先されます

 

2.協議による分割

「遺言書がない場合」や「遺言書とは異なる相続をしたい時」に行います。

相続人である配偶者や子どもが全員で協議する分割方法です。

 

3.調停による分割

「遺産分割の協議がまとまらない時」や「そもそも協議できない時」に、

家庭裁判所に「調停」(話し合い)を申立てる分割方法です

 

4.審判による分割

遺産分割の調停がまとまらない時に、家庭裁判所に遺産分割の「審判」を申立て、

分割する方法です。

 

 

司法書士・行政書士西本清隆事務所

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