共有不動産の解決には家族信託

不動産が共有状態になると、不動産の活用が

著しく制限されことになります。

不動産を売却するには共有者全員の同意が、

賃貸するには持分価額の過半数の同意が必要です。

 

 

1.仲が良い数人の共有であれば問題ありませんが、

共有する人数が数十人となったり、

共有者間の人間関係が悪くなったりすると

不動産の管理や売却は事実上不可能になり、

不動産が凍結します。

 

共有者の1人が認知症などで判断能力が低下したり、

行方不明になっても同様です。

 

不動産の共有を「狂憂」と表現する人もいるぐらい、

不動産の共有状態はできるだけ避けるべきです。

 

家の共有

 

最近、空き家問題が叫ばれていますが、

数世代に渡って相続の権利関係が解決されない結果、

数十人~数百人の相続人による共有状態が発生して

しまうことで、空き家の増加に拍車をかけること

になります。

 空家

 

2.家族信託が共有問題の解決手段に。

 

親の相続で不動産を3人で共有している兄弟がいれば、

3人が元気で、人間関係が良好な時に信託契約をします。

 

受託者として管理処分の権限を1人(又は法人)に任せます。

受益権(売却代金などを得る権利)は3人で

準共有する信託の内容にします。

 

こうすることで、受託者以外の兄弟の関与なしに

受託者のみで売買契約も可能になります。

 

受託者の裁量で売却させることに抵抗ある場合には

売却する際には他の共有者などの同意を必要と

することで権限に制限をすることも可能です。

 

売却代金は共有割合に応じて各自が取得します。

 

管理処分の権限を持つ人を少なくした分だけ

各契約も簡便にできるようになります。

 

 

3.信託の終了時に注意

 

受益者を共有にした家族信託の場合に

注意すべきことがあります。

 

それは「信託を終了時」です。

 

不動産を売却し現金化した後に

信託終了するのであれば、現金を

共有者に配分するだけなので、

共有者が何人いても特に問題ありません。

 

一方、不動産自体が残ったままで信託が終了

してしまうと、不動産自体が共有になり

不動産の活用・処分ができなくなることに

なりかねません。

 

「共有問題の先送り」にならないよう

信託の終了の時期・方法についても

信託開始時に検討することが大事です。

 

 

司法書士・行政書士西本清隆事務所

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