受託者が先に亡くなると

財産を預ける親よりも先に、財産を預かる子が

亡くなってしまった場合、どうなるのでしょうか?

 

①親②子の順に亡くなることが普通ですが、

「子が先に亡くなる」「子が病気などで

親の財産管理を行うことが難しくなる」

ことも考えられます。

 

1.原則、1年間新しい受託者が就任しないと、

信託が自動終了する(信託法第163条③)ので、

信託が終了することを避けるために、以下の方法で

対応します。

 

信託契約に「予備的受託者」の定めを置き、

事前に特定の人を指定しておきます。

 

例えば、父が委託者、長男が受託者甲の場合、

「次男乙」を予備的受託者として定め、

万一の場合、次男甲が受託者として管理を

行う旨を契約書で定めます。

 

 

2.当事務所で関わった案件で、家族信託の契約をした

1か月後に受託者である子(次男)が交通事故で

亡くなったことがありました。

 

予備的受託者として、受託者の子(孫)を

定めていましたが、当時未成年者でした。

受託者が契約直後に亡くなることは

契約段階で全く想定してませんでした。

 

受託者に未成年者はなれませんので

(未成年者を予備受託者として定めることは可能)、

受託者である次男が亡くなった時点で、

予備的受託者と定められた未成年者の孫は

受託者に就任することはできません。

 

危機感

 

不幸中の幸い、家族信託の契約を締結した直後だったので、

親(委託者)の判断能力は、しっかりとしていました。

 

そこで、親(委託者)の権限で新たな受託者(長男)を

指定し、長男が承諾することで、「長男が新たな受託者」として

親の財産管理を引き続き行うことになりました。

 

 

3.予備の受託者の定めがなく、受託者に万一の

ことがあった際、親が認知症になっていると

新たな受託者を選任することができなくなります。

 

受益者代理人や信託監督人を設置し、

新たな受託者を選任できる権限を与えておけば、

そのようなケースでも対応可能ですが、

選任できる権限を持つ人がいなければ、

家庭裁判所に選任手続きをしないといけません。

 

受託者が途中で欠けることがないよう、

しっかりと事前にスキームを作成することが

家族信託ではとても重要です。

 

事務所相談

 

<用語解説>

委託者:信託する財産のもともとの所有者で、信託をお願いする人

受託者:委託者からの信頼に基づいて、財産の管理・処分等を任された人

受益者:信託された財産から生じる利益を受ける人

 

※「家族信託」は一般社団法人家族信託普及協会の登録商標です。

 

 

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