相続による不動産の共有を防ぐには
相続財産の中で現金や預貯金は
相続人間で分割することはできますが、
土地や建物は分割することはできません。
♦1つの家を物理的に分けることはできないので、
「誰か名義にする」又は「相続人で共有名義にする」
ことになります。
ただ、相続人の共有名義にしてしまうと、
後々困ることもあるので注意が必要です。
不動産を兄と弟で2分の1ずつにした場合、
兄は不動産処分して現金化したいと思っても、
弟が不動産をそのまま保有したいと思っていたら、
不動産を換価処分できません。
共有名義の財産を処分するには、共有者の
同意が必要になりますので、共有者同士が
良好な関係にあれば良いですが、不仲だったり、
どちらかが亡くなり、相続が発生すると
複雑な権利関係になります。
♦不動産を「とりあえず共有名義」に
しておくことは、様々なリスクが
発生しますので、以下の方法で対策を
することが大切です。
①遺言書(できれば公正証書で)を作成し、
不動産の取得者を指定する。
②元気な時に、承継させたい相続人に対し、
生前に贈与しておく。
贈与すれば贈与税が課税されますが、
相続時精算課税制度を活用することも
検討します。
上記①②とも、不動産を取得しない相続人に
現金を多めに取得させるようにすることも
考慮するとよいでしょう。
生命保険で現金を用意することも有効ですが、
「不動産を取得しない(もらえる財産が少ない)」
相続人を死亡保険金の受取人にしない」ことが
重要です。
死亡保険金は法律上は「相続財産に含まない」ので、
もし、遺産を取得しない相続人が、死亡保険金を
受取っても、それは除外して遺留分などの主張が
できてしまいます。
③土地で分筆して別個の不動産として活用できる
ならば、分筆して遺産分割しやすくする。
④生前に家族信託を活用して、不動産の所有権を
受益権にしておく。
受益権にすることで、不動産の売却や賃貸が
受託者(管理者)の単独で可能になり、
得た売却代金や賃料を分けることで、
相続人間の紛争が防止できます。
司法書士・行政書士西本清隆事務所
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