高齢の親の自宅を「確実に売却」する方法

「高齢の親が居住している自宅を

売却して施設費用の費用に充てたい」

という相談が増えています。

 

高齢の親に、認知症の症状が

出始めており、この先、親の

健康状態に関わりなく、自宅を

確実に売却したい場合、事前に

どのような対策が取れるでしょうか?

 

 

1.何もしない

 

費用や手間が一切かかりません

 

ただ、売買契約をする時点で親の

判断能力次第(認知症が進んでいる場合など)

では、売ることができないリスクがあります。

 

もちろん、自宅所有者の親がしっかりとした

状態であれば、親が契約して売ることが

できます。

 

「イチかバチ」のギャンブル的な選択肢です。

 

 

2.子どもに贈与した後に、子どもが売却する

 

認知症が進む可能性が高い親の名義から

子ども名義にして、子どもが売却する方法です。

 

自宅は子どもの所有になりますので、

親の健康状態に関係なく、売買手続きが

可能です。

 

相続時精算課税制度(2500万円までの

贈与には贈与税が課されない)を活用して

自宅を子ども名義にすれば、確かに贈与税は

課税されない又は軽減されます。

 

ただ、その後に子どもが自宅不動産を売却する

時に譲渡利益の約20~40%が課税されます。

 

これでは、売却後の残金が少なくなり、

親の施設費用に充てる金額も少なくなります。

 

また、名義変更時の登録免許税も2%と高く

(2000万円の評価額ならば40万円)、

不動産取得税の負担も必要です。

(評価額の3%程度)

 

 

3.成年後見制度を活用

 

認知症=成年後見と考える人も多いです。

 

成年後見は「本人の財産を守る」ことが

目的ですので、自宅を売却するには

家庭裁判所の許可が必要です。

 

親の預貯金などが潤沢にあれば、

自宅売却の許可が出ない可能性もあり、

自宅を売却できるか不透明です。

 

仮に自宅売却の許可が出て無事に自宅を

売却できたとしても、成年後見は親が

死亡するまで続きます。

 

成年後見人が子どもであれば、後見人の

報酬を請求しなければ良いのですが、

一定の財産(500万円ぐらい)あれば、

専門家が成年後見人又は後見監督人に

選任される可能性があります。

 

また不動産売却などの法律行為が

予想されるケースでは、専門家が

成年後見人に選任される可能性が

更に高くなります

 

毎年数十万円の成年後見人への報酬が

親が亡くなるまで一生必要になります。

 

 

4.民事信託(家族信託)を活用

 

親が元気なうちに子どもに自宅の

売却する権限を与えることで、

その後、親の健康状態に関わらず、

子どもが自宅の売却ができます。

 

形式上、名義を子ども(受託者)に

変えますが、親を受益者にしますので、

贈与税は不動産取得税は課税されません

 

不動産の名義変更にかかる登録免許税は

評価額の4%(土地は3%)ですので、

贈与と比較してもコストがかかりません。

 

 

5.自宅が売却される前に親が死亡したケース

 

⑴「何もしない」「成年後見制度を活用する」場合、

自宅を親から子供へ相続の名義変更が必須です。

その後、子どもが売却することになります。

 

スムーズに相続の名義変更ができれば良いですが、

相続人間で揉めてしまうと、解決するまでは

自宅を売却することができません

 

 

自宅が売却される前に、親が死亡した時でも

家族信託を事前に設定しておくと有効です

 

委託者(親)の死亡で信託が終了する

旨の契約であれば、親が死亡すれば

信託も終了します。

 

信託が終了すれば、相続人へ名義変更を

行いますが、信託契約書の規定で

「信託終了時の権利帰属者を指定する」

ことで、遺産分割協議を経ることなく、

子どもへ名義変更できます。

 

名義変更後、子どもが自宅の処分を行います。

 

 

⑶いったん子ども名義に変更するにも

手間やコストがかかりますが、

それらを省略する方法もあります。

 

「清算受託者」に「不動産の処分」の

権限を事前に与えることで、信託が

終了しても、相続の名義変更をせずに

引き続き、清算受託者が不動産の

売買手続きを行うことが可能です。

 

不動産の処分が主目的の場合には

「清算受託者」の権限を信託設定時に

しっかりと定めておくことをお勧めします。

 

 

<用語解説>

委託者:信託する財産のもともとの所有者で、信託をお願いする人

受託者:委託者からの信頼に基づいて、財産の管理・処分等を任された人

受益者:信託された財産から生じる利益を受ける人

 

※「家族信託」は一般社団法人家族信託普及協会の登録商標です。

 

 

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