賃貸アパートを信託したら何をするの?

先日、公証役場にて民事信託の契約を締結した後、

待合室にて契約書の正本の受取りを当事者の方々と

待っている間に「貸家の管理や契約の変更は必要

ですか?」と質問されました。

 

自宅とは異なり、他人に貸している家や土地には

「借りている人」や「不動産の管理会社」などの

関係者もいるので、民事信託(家族信託)を

締結した後に行う手続きも多いです。

 

1.信託した旨の登記を行う

不動産であれば、自宅であれ賃貸アパートであれ

子どもに財産の管理・処分を託しましたよという

ことを第三者に知らせるために「登記」

行います。

 

固定資産税評価額の0.4%(土地は0.3%)の

登録免許税(印紙代)が必要になります。

 

通常、不動産の登記は「任意」ですので、

親から土地を相続したとしても、自分名義に

登記をする義務はありません。

 

一方、「信託」で不動産の管理・処分を任された場合には

「自分の財産」と「託された財産」を分別するために

信託された旨の登記は必須です。

 

 

2.火災保険・地震保険の手続き

元々の所有者である親(委託者)名義で

火災保険などは契約してありますが、

不動産の登記簿上では、形式上の名義は

子ども(受託者)に変わりますので、

保険の変更手続きを行います。

 

ただ、保険会社によっては実質的な所有者は

親のまま(委託者=受益者の場合)なので、

変更手続きは不要という保険会社もあります。

 

万一の時に保険金が支払われないことを防ぐために、

契約している保険会社に確認することが必要です。

 

 

3.賃料の振込口座の変更を知らせる

①不動産管理会社に賃料の受領を任せているケースは、

管理会社からの賃料の振込口座を、子どもが管理する

信託(専用)口座に変更してもらうだけです。

 

管理会社に信託(専用)口座の口座番号を知らせるだけ

大丈夫です。

 

②不動産管理会社を間にいれないで、借りている人から、

直接賃料を受け取っているケースでは、新たな振込口座を

借りている人全員に知らせる必要があります。

 

振込口座を変更した旨を知らせた後にも、

賃料が入金されているかの確認や、

未入金の人には支払いを請求することが必要です。

 

 

4.子どもの信託(専用)口座に敷金などを移動する。

民事信託(家族信託)が始まった後は、子ども(受託者)が

色々な手続きや契約を行います。

 

敷金の返還や固定資産税、火災保険の支払い、

フォーム工事の契約や工事代の支払いなどを

子どもができるように、まとまった金銭を子どもが

管理する信託(専用)口座に入れる必要があります。

 

<用語解説>

委託者:信託する財産のもともとの所有者で、信託をお願いする人

受託者:委託者からの信頼に基づいて、財産の管理・処分等を任された人

受益者:信託された財産から生じる利益を受ける人

 

※「家族信託」は一般社団法人家族信託普及協会の登録商標です。

 

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