認知症になると自宅の処分は困難に・・

〇最近、空き家問題が話題になっています。

 

空家がそのままですと、固定資産税・維持費を

負担し続けることになりますし、放火などの

危険も増します。

 

原因はいろいろあると思います。

連絡が取れない相続人がいるケースや

相続人が多数になって、意思疎通が図れない

ケースなどが考えられます。

 

これに加え、「認知症」が原因になるケースも

増えています。

 

 

「現在、一軒家で一人暮らしをしているが、

近いうちに自宅を売却して、老人ホームに入所を

考えている。

ただ、最近物忘れなどがひどくなり、認知症になる

おそれがある。

いざ自宅を売却しようとした際に認知症になっていても

無事に自宅を売却できるのか?」

という相談を複数受けました。

 

 

1.原則、認知症になると自宅の処分は難しくなります。

 

認知症になると当然、自分で有効な契約ができなくなります。

 

コンプライアンスが重要視される時代に、認知症で

判断能力が低くなった人と仲介契約をする不動産会社は

ないでしょう。

 

また、買主との売買契約もできなくなります。

 

 

2.「成年後見」の制度を活用すれば、自宅売却できるのでは?

と思われるかもしれません。

 

しかし、自宅は「その人の精神的な拠り所」という観点から、

成年後見制度のもとでは、自宅を処分するためには、

「家庭裁判所の許可」が必要になります。

 

自宅を処分する必要性・合理性が認められないと、

家庭裁判所は許可をだしてくれません。

 

また、許可を得るためには1~2か月の期間がかかります。

 

その間に買主の気持ちが変わる可能性もあります。

 

 

3.「民事信託(家族信託)」を活用して備えをする。

 

認知症になる前に「家族信託」を活用して、自分が認知症になっても

自宅を売却できるように、自宅の管理・処分する権限を信頼できる

家族(受託者)に与えます。

 

自宅の売却代金の受取者(受益者)を、自宅所有者にすることで

管理・処分を任せた家族(受託者)に手続きをしてもらい、

売却代金だけ受け取ることができます。

 

認知症になる・ならないに関わらず、「信頼できる家族・親族に

自宅の管理・処分する権限を与える」ことで、必要な時に

すぐに自宅の処分に向けて動くことができます。

 

 

<用語解説>

委託者:信託する財産のもともとの所有者で、信託をお願いする人

受託者:委託者からの信頼に基づいて、財産の管理・処分等を任された人

受益者:信託された財産から生じる利益を受ける人

 

※「家族信託」は一般社団法人家族信託普及協会の登録商標です。

 

 

 

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