太陽光パネルと工場抵当

〇近年の再生可能エネルギーの活用に対するブームで、

空き地や建物の屋根に事業用として太陽光パネルが

設置されるのを、よく見かけます。

 

銀行から融資をうけ、太陽光パネルを設置する

場合に、銀行が担保を取ることになります。

 

太陽光パネルを担保にする方法の1つに

太陽光パネルを設置する土地・建物と一緒に

抵当権を設定する「工場抵当」があります。

 

 

「工場抵当」は、土地・建物に抵当権を設定する場合に

抵当権の効力を、備え付けられた機械、器具等の供用する

物にまで及ぼすものです。

 

 

〇工場抵当が設定され、備え付けの太陽光パネルにも

担保の効力が及ぶと以下の効力が生じます。

 

1.太陽光パネルの所有者が、抵当権者である銀行の同意なく

太陽光パネルを分離、備え付けをやめたとしても、

抵当権の効力が外れることなく、抵当権の効力を主張できます

 

2.太陽光パネルのみを差押えることはできなくなり、

常に土地、建物を一体としてのみでしか、差押えできません。

 

 

なお、工場抵当の「工場」とは、工場抵当法で以下に定義されてます。

1.営業のために

2.物品の製造若しくは加工、印刷・撮影、電気ガスの供給

電気通信、放送の目的の為に使用する

3.場所

 

 

〇工場抵当を設定手続きは、土地や建物のみに抵当権を

設定するのと比べても、さほど変わりません。

 

ただ、抵当権の効力が太陽光パネルに設置されていることを

主張するために「抵当権の効力が及ぶ機械、器具等を記載した

目録(機械器具目録)」を作成して、登記所に提出します。

 

 

「機械器具目録」には、種類・構造・個数・製作者の氏名、名称・

製造年月・型式等を記載して、識別できるようにします。

 

太陽光パネルであれば、こんな感じです。

種類 太陽電池

構造 多結晶シリコン

個数 200枚

製造者 タケモトデンキ(株)(※仮称)

型式 AB-1234XYZ

 

 

登記所で工場抵当の登記を記録する際には、工場抵当である

ことが分かるように「工場抵当法第3条第2項目録作成」

と記載されます。

 

 

司法書士・行政書士西本清隆事務所

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