合同会社を株式会社へ変更できるの!?

設立時には、費用面や1人で経営するために、少ない資本で設立できる

合同会社を設立して事業を行うことがあります。

 

その後、取引の信用性を向上させたり、業績もあがり将来的には、

株式上場を考えた際には、合同会社では株式上場ができませんので、

合同会社としての会社形態から、株式会社に変更することができます。

 

株式会社への変更は、いろいろな手続きをする必要があり、当然ですが、

それに伴うコストも発生します。

新規に株式会社を設立し、合同会社の事業をそのまま事業譲渡をしてしまう方が

楽なことも少なくありません。

 

 

また、当初からかなりの業績が見込まれて株式上場で大企業にしたいような場合には、

会社設立する際から、若干コストが増えますが、株式会社として会社設立することも

ひとつの手です。

 

なお、合同会社を株式会社へ変更するには、数か月の期間を要しますので、

早めに取り組まれた方が良いです。

 

 

合同会社は「所有と経営が一致」してますので、出資する「社員」が

会社の所有者であると同時に会社の業務を執行する者になります。

 

なお、「社員」というと会社で働く従業員をイメージする人も多いとは

思いますが、会社法での「社員」は会社のオーナー且つ業務を執行する人です。

 

株式会社は、「所有と経営が分離」しているので、「株主」が所有者となり

「取締役」が業務を執行します。

 

 

組織変更とは

合同会社から株式会社へ変更する手続きを「組織変更」といいます。

 

組織変更とは「株式会社から持分会社(合同会社等)へ会社形態を変更する手続き」、

反対に「合同会社等の持分会社から株式会社へ会社形態を変更する手続き」のことです

 

事業開始当初は、事業規模やコストを考えて合同会社で開始しながらも、

事業拡大に伴い株式会社に変更することで、信用性・認知度をアップさせたいと

考えることが多いでしょう。

 

反対に、株式会社から合同会社に組織変更することも可能ですが、

実際の事例はレアケースかと思います。

 

取引における信用度や社会的評価の面からみても、株式会社の方が有利であることは否めません。

 

合同会社(持分会社)から株式会社への組織変更手続きのながれ

①組織変更計画の作成

②総社員の同意を得る

③「官報へ公告」及び「債権者へ個別に催告」

④組織変更に異議を述べた債権者への弁済等

⑤組織変更の効力発生

⑥「株式会社の設立登記」「合同会社の解散登記」

 

 

②会社の形態を変更することは、会社運営等に大きな影響を与えますので、

会社の所有者である「社員」の全員の同意が必要になります。

 

官報とは「国が発行する、法令などの公的な情報を掲載する新聞」のことです。

 

会社の合併・資本金の減少・解散等、会社の重大な変更を公に告知し、

債権者等の利害関係人に周知させるために、官報にその旨を掲載します。

 

ただ、官報を日常的に閲覧している人は、ほとんどいないので、

官報に公告することでの周知効果には疑問がありますが・・。

 

持分会社には決算公告の義務はありませんので、組織変更の公告において

最終の貸借対照表を掲載する必要はありません。

 

会社が把握している債権者には、「組織変更することに異議があるならば、

申し出るように」個別的に催告・通知します。

 

実務上は、把握している全部の債権者に催告はせずに、一定金額以上の債権を

有する債権者にのみ行います。

 

会社の規模等によって、一定金額の基準は異なります。

組織変更について異議を出す債権者がいれば、その債権を弁済等して

債権者に該当しなくすれば良いので、会社が即支払える金額になります。

通常は10万円がひとつの目安になるかと思います。

 

⑤組織変更の効力が発生するのは、新規に会社設立するのと異なり、

組織変更計画で定めた効力発生日になります。

形式上、「株式会社の設立登記」「合同会社の解散登記」を申請しますが、

実質は、会社を新しく設立するわけではなく、会社の形態をを変更するだけだからです。

 

会社の新規設立と異なり、効力発生日は登記申請とは関係ありませんので、

法務局が休みである、土・日・祝日にすることも可能です。

新規の会社設立日についてはコチラ

 

 

 

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