株主リストが会社登記のマストアイテムに!

株式会社の出資者である株主リスト(株主名簿)が、

平成28年10月1日以降に法務局へ会社登記を

提出する際にほぼ必須なものになりました。

 

株式会社が設立後に取締役を選任・再任したり、本店の所在場所を

移転したりする時などは、株主がその旨を株主総会で決定します。

 

それに伴い、会社の登記記録の変更手続きを行う際には、

株主総会議事録を法務局へ提出します。

 

株主総会には、株主総会の日時・場所・出席した役員の氏名の他に

株主の総数や出席した株主数を記載します。

 

現在は、数字で〇株・〇人とのみ記載すれば良いのですが、

今後は株主総会議事録とは別に、株主の住所・氏名を記載したリストを

作成し、法務局への提出が必要になります。

 

株主リストには、代表取締役が、その内容に間違いない旨を証明する

ことになります。

法務局では会社の株主は把握できませんし、会社の登記記録にも掲載されません

ので、会社側が株主リストを作成します。

 

これは、登記の申請担保を図るために改正されたのだと思います。

現行の手続きでは、株主総会での決定プロセスが適切なものか

どうかは、株主・株式の数字でしか判断できないため、不十分な面が

あります。

 

例えば、株主が2名で50%ずつ株式を保有している時に、意見が

別れた決議事項があったとしましょう。

本来、決議事項にもよりますが、本来過半数(51%)の賛成が必要

になります。

 

協議を重ねても、意見が平行線のままになった時に、株主の1人が

代表取締役を兼ねていると、「過半数ないし全員の賛成があった」旨の

株主総会議事録を勝手に作成してしまう可能性があります。

 

内容が偽造された株主総会議事録でも、法務局は形式面しか審査できません

ので、形式が整っていれば、申請された内容が会社の登記記録に記載されます。

 

上記のような、虚偽の内容に基づく会社登記の申請をできるだけ少なくするため、

誰が株主であるのかのリストを基に、手続きが適正にされたかをチェックすると思います。

 

 

株主の氏名・保有している議決権の数が分かれば、不自然な決議(株主が

1万人いるのに全員が賛成しており、反対や欠席した株主がゼロというのは、

あり得ない)をチェックしやすいですよね。

 

株主のリストは、代表取締役が証明するので、虚偽のリストを作成した場合

には、代表者にもペナルティが課せられることになります。

 

株主リストには、必ずしも会社の株主全員を記載するとは限りません。

株主リストに記載する株主は「議決権の数が上位10名の株主」又は

「議決権割合が3分の2に達するまでの株主」の少ない方です。

 

 

株主が100名いても、1人の大株主が全体の80%保有している等であれば、

株主リストに記載する株主の情報は、1人の大株主のみで大丈夫です。

 

株主10名の全員が同じ割合を保有しているならば、7名の株主情報を

株主リストに記載することになります。

 

このように、株主が保有している株式数・割合によって、リストに記載する

株主数が異なってきます。

 

 

株主リストを法務局へ添付することになるのは、平成28年10月1日以降に

法務局へ会社登記の申請をする時ですが、平成28年9月に株主総会が開催

されても、それに基づいて会社登記の申請を行う時が10月1日以降ならば、

株主リストが必要になります。

 

法務局に会社登記を申請する日付けが、平成28年10月1日以降かどうかが

メルクマークになりますので、注意が必要です。

 

 

 

司法書士・行政書士西本清隆事務所

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