不動産取得時の印紙税
〇契約書や領収書に印紙を貼って納める「印紙税」
印紙税は印紙税法に定められている課税文書(契約書や領収書など)
を作成した場合に課税される国税です。
課税文書の作成者が、収入印紙を貼付け、消印することで
納税します。
課税文書の種類は法律によって決められており、文書に記載された
契約金額等に応じて印紙税の額が決まります。
〇不動産取得時の印紙税
不動産は通常数百万円~数千万円する大きな買い物です。
後々に揉めないように、売買代金・引き渡し時期等の条件を
文書としてまとめた売買契約書を作成します。
その際に印紙税を納めることになります。
売買契約書以外でも不動産を取得する際には、
さまざまな種類の課税文書を作成しますので、
印紙を貼付することを忘れてはいけません。
①土地・建物を購入する場合・・売買契約書・売渡証書・領収書
②建物を新築する場合・・建築請負契約書・設計契約書・領収書
③住宅ローンを組む場合・・金銭消費貸借契約書・抵当権設定契約証書
〇印紙税の税額
印紙税の額は、文書の種類や記載金額に応じて定められています。
なお「不動産の売買契約書」と「請負に関する契約書」にかかる印紙税額が、
軽減される特例(契約金額が1000万円を超える場合)があります。
・500万円超~1000万円以下の場合
本来の印紙税 10,000円 ⇒ 5,000円に軽減
・1000万円超~5000万円以下の場合
本来の印紙税 20,000円 ⇒ 10,000円に軽減
・5000万円超~1億円以下の場合
本来の印紙税 60,000円 ⇒ 30,000円に軽減
「建物の賃貸借契約書」「不動産の媒介契約書」には印紙税は課税されません。
なお、金額が記載されていない文書(司法書士が、売買契約書とは
別個に、法務局へ提出するための売渡証書等)は、200円の印紙が
必要があります。
〇印紙を貼付しない場合の罰則
印紙を貼付しなかったり、消印しなかったりした場合には、
税金を納付したことにはなりません。
印紙を貼付していない契約書でも、その内容・効果は問題ありません。
ただし、納税を怠ったことの罰則として、納付しなかった印紙税の額と
その2倍に相当する金額との合計額に相当する「過怠税」が課されます。
つまり、本来貼付すべき印紙税額の3倍!!の罰則です。
更にワザと印紙を貼付していない場合には、さらに+3万円!!の罰則が
課せられます。
印紙は貼付していても、消印をしていない場合には、
本来貼付すべき印紙税額の2倍!!の罰則ですし、
ワザと印紙に消印していない場合には、さらに+1万円!!の罰則が
課せられます。
〇契約書を作成しなければ、印紙は不要!?
契約書を作成すれば、印紙を貼付する必要があるが、
「契約書という名称ではなければ、課税されないのでは?」と
思う人も少なからずいるかもしれませんが・・・
そのような小手先で印紙税を免除してくれる程、国は甘くありません!
覚書・念書等文書の名称に関係なく、契約書と同じ内容が
記載されていれば、契約書と同様の印紙を貼付することになります。
電子文書は課税文書に該当しません。
電子署名をすることで、契約書の効力は紙ベースの契約書と同様です。
但し、電子文書を出力して、契約書として保管しているものは
課税文書と認定される可能性がありますので、注意が必要です。
司法書士・行政書士西本清隆事務所
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