相続が発生すると、預貯金はすぐに凍結されてしまうか?という質問をいただきました。
先日、メールで質問をいただきました。
「母が亡くなり銀行に100万程度だが預貯金がある。相続人は子どもである私1人。
葬儀費用の支払いもあるので、早く引き出したいが、死亡したら口座はすぐに凍結されてしまい
引き出せないんですよね?」という内容でした。
一般的な法律専門家の回答としては、「はい。相続が発生し、金融機関は預貯金の名義人が亡くなった事実を知ると
即、口座を凍結してしまい、一切の出し入れはできないようにします。たとえ、相続人でも所定の
手続きをしないと預貯金の払い戻しはできません。その際に必要なものは、戸籍と・・・・・・」
みたいな感じでしょうか。
しかし、疑問がわきませんか? 「金融機関ってどうやって口座持ってる人の死亡を知るのだろう?」と。
もちろん、家族が「口座を開いていた母が亡くなりました」と銀行へ届け出ることもあるでしょう。
しかし、全員が全員、届け出るとも限りません。
また、銀行が役所と繋がっていて、役所に死亡届が出されると銀行に情報が届くわけでもありません。
銀行が口座名義人の死亡を知るのは、「家族の届出」「新聞のお悔み欄」のふたつがほとんどです。
それ以外に知ることはほとんど稀です(知る手段がない)。
逆を言えば、「銀行へ届出をせず、新聞のお悔み欄にも掲載されなければ、凍結されない(できない)可能性が高い」
ということです。
また、金融機関によっては、一定金額(100万円ぐらい)以下の預貯金しかない場合には、
届出等で死亡の事実を知っても凍結しない処置もされています。
同じく葬儀費用等の緊急の引き出しについては、応じてくれることもあり得ます。
ただ、全ての金融機関が応じてくれるわけでもなく、引き出す金額にも限度があるので、
やはり葬儀費用は事前に相続人が準備しておくことが大切になります。
では、銀行口座が凍結されてしまった場合の手続きはどうすればよいのでしょう?
これは後日に説明します。
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